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沖縄トラフ地震:M8クラス巨大地震の可能性

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政府の地震調査委員会は、南西諸島周辺などでの海溝型地震に関する長期評価を公表。

今回で第2版となる長期間の評価では、南西諸島周辺でマグニチュード8(M8)の巨大地震が起きる可能性があると指摘。


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沖縄でM8巨大地震の可能性

巨大地震の発生確率が明確に

与那国島周辺では今後30年以内にM7級の地震が起きる確率は『90%以上』と評価。また、沖縄本島に近い南西諸島北西沖でも同規模の地震が『60%程度』の確率で発生するとしている。

この長期評価の算定には、過去の地震の記録や、ある事象が発生する確率を示す数式などを用いて発生率を試算している。さらに、地震によって生じる津波の水位などは評価していないが、今後検討する。

なお、与那国をふくむ南西諸島周辺でM8程度の巨大地震が起きる可能性も試算したが、データが乏しいため『不明』としている。
ただ、1771年に八重山諸島で最大約30メートルの津波があった『明和の大津波(八重山津波)』も評価対象に加えたが「津波の記録はあるが主因は明らかでないため、地震活動として評価することが困難」と結論付けた。

今後の地震長期評価の課題

委員会は今後の課題について「海底の堆積物や隆起の痕跡など過去の大地震のデータ収集により、地震の解明を進めていくことが重要」と強調。
南海トラフと南西諸島周辺の海溝が連動する超巨大地震などに関する科学的知見は『不十分』とした上で「新たな知見やデータの収集・整理をはかり、評価が可能となれば実施する」との方針をしめしている。

第2版では初版と同様、巨大地震が想定されている南海トラフに隣接する日向灘周辺の地震活動も評価している。

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琉球諸島における過去の地震

琉球列島は、北は種子島から南は与那国島に至る約1100kmの広がりをもつ弧上列島です。

琉球列島の北西側には『沖縄トラフ』、南東側には『琉球海溝』がある。
さらに、琉球諸島の南東側には、フィリピン海プレートの潜り込んでおり、その沈み込みによって大陸側には谷状の『沖縄トラフ』海底地形が存在する。くわえて、周辺で断層運動も確認されている。

おもな大地震活動

下記の表は、琉球諸島周辺の100年間の地震活動を掲載。
一般的に琉球諸島周辺では地震が少ないといった間違った考え方があるが、実際の地震活動から決して地震が少ないとはいえない。

この100年期間中に、琉球諸島の下に沈み込んでいるフィリピン海プレートでは、深さ250㎞までにおよぶ大きい地震活動があり、マグニチュード7以上の地震が5回発生している。

西暦(和暦) 地域(名称) 規模 主な被害
1771年4月24日
(明和8)
八重山諸島
(八重山津波)
M7.4 八重山列島と宮古列島で被害。溺死者約12,000人、家屋流失2,000棟余。
1909年8月29日
(明治42)
沖縄島近海 M6.2 死者2人、負傷者13人、家屋全半壊106棟。
1911年6月15日
(明治44)
奄美大島近海 M8.0 奄美、沖縄諸島に被害。死者12人、家屋全壊422棟。
1947年9月27日
(昭和22)
与那国島近海 M7.4 石垣島、西表島で被害。死者5人。
1958年3月11日
(昭和33)
石垣島近海 M7.2 死者2人、負傷者4人。
1960年5月23日
(昭和35)
チリ中部
(チリ地震津波)
M9.5 死者3人、負傷者2人、建物全壊28棟。
1966年3月13日
(昭和41)
台湾東方沖 M7.8 与那国島で被害。死者2人、家屋全壊1棟。
2010年2月27日
(平成22)
沖縄本島近海 M7.2 負傷者2人。

2010年2月27日に沖縄本島近海でマグニチュード7.2の地震が発生し、勝蓮城址と玉城址で被害があった。

琉球諸島の大規模地震一覧では、1771年-2010年の間の主な地震被害を示しているが、そのなかでも1771年に発生した『明和地震』による津波高さ50mにも達し、約12000人の命が失われたと記されている。

この情報をみて感じることは、日本の他の地域に比べて、琉球諸島周辺における過去の地震に対する認識が不足していることがわかる。
熊本県でも『2016年 熊本大地震』の発生前には同様な考え方があった。しかし、大規模震災による甚大な人的・経済的損失を受けたことによって、熊本県では耐震設計の考え方を変更することとなった。

沖縄県についても、今後の大地震被災リスクについて正しい評価が求められている。

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